男装騎士~あなたの笑顔護ります~
剣は木の真ん中を貫いた。
でも、その木の黒さは変わらない。
黒いままでも、成功したってことなの?
皆が息をのむのがわかる。
誰もなにも発さない。
終わったのかどうかも、わからないのだ。
「これで、いいのか」
言葉を発したのはレオだった。
剣の柄から手を放し木から離れて立つ。
その手は赤く擦り切れいていた。
木のあの抵抗のせいだろう。
≪これで、魔物は消え去った≫
「本当!?よかった!」
終わったんだ。
これで、魔物はもういない。
皆の平和が、護られたんだ。
≪でも、これでは不完全だ・・・≫
登って行った気持ちを、精霊は冷静に切り捨てた。