男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「ユキ!おい、ユキ!」
ユキの身体を揺さぶる。
ユキのお腹の上に垂れていた腕がパタンと地面に落ちた。
それが、現実を示しているようで・・・。
もう、目を覚まさないのだと。
「レオ」
そう言って、俺の名を呼んでくれることはないのだと。
「っかやろう・・・っ!」
ギュッとユキの服を握りしめ、ユキの身体に顔をうずめる。
俺はまた。
「俺はまた、護れなかった・・・っ」
いつだって守られてばかりだ。
いつだって、ユキは自分のことなんて顧みずに俺の事を護ろうとする。
「レオさま・・・」
だから、連れてきたくなかった。
安全な場所に置いておきたかった。