男装騎士~あなたの笑顔護ります~
≪一人は寂しかった・・・。でも、もう一人じゃない・・・≫
「なにを・・・」
なにを、言っている。
俺の腕の中にいたユキの身体が突然宙に浮いた。
咄嗟に手を伸ばすが掴むことができず、その体は精霊の元へと。
「貴様・・・っ!」
≪そんな目を向けられるいわれはないよ・・・僕は君たちの望みはかなえてあげたのだから≫
「なんだと・・・っ」
≪君たちが魔物の脅威に怯えることはもうない。僕も一人じゃなくなった・・・。言いこと尽くしじゃないか≫
こんな犠牲を、望んでいたわけじゃない。
ましてやユキの命を代償になんて!
≪代価は必要でしょう?≫
代価・・・・?
「人の命を、なんだと思ってるんですか!」
耐えられずグレンが叫ぶ。