男装騎士~あなたの笑顔護ります~
最終章
手をつなごう
あの山に再び登る。
その時に、レオから教えてもらった。
全て、セイくんが仕組んだことだったって。
私があの木に触れるように誘導したのも。
そして、私がこの世界にやってきたのも。
あの声は、レオの声じゃなくて・・・レオの声を借りたセイくんの声だったんだね。
助けてって。
ずっと叫んでた。
「・・・それでも、ユキが許すというなら、俺はなにも言わない」
私の隣を歩くレオがそう言った。
あの時と違う、私の隣を歩いてくれているレオ。
「許すよ。だって」
だって。
「そのおかげで、私はレオと出会えたんだから」
運命のいたずら。
それでも。