男装騎士~あなたの笑顔護ります~
会える日を指折り数えたりして。
会った時、なにを話そうか、どんな話が聞けるかな?
「会うたびに、大好きになっていく。話したいことがたくさん募って。満たされていくの。私、セイくんともっと話がしたい。いろんな話、しよう?」
≪・・・したい・・・。お話・・・いっぱいしたい・・・≫
ポロポロと溢れる涙。
なんてきれいな涙なんだろう。
「セイくん。おいで」
両手を広げる。
セイくんが、わぁっと泣きじゃくりながら私に抱きついた。
触れることはできない。
湖の時にはできたのに。
それでも、そっと抱きしめる。
温もりを少しでも感じてもらいたくて。
≪温かい・・・わかんないけど・・・温かい気がする・・・≫
「うん。私も。セイくんの温もり、感じるよ」
≪ユキ・・・っ、ごめん。ごめんねっ・・・≫
純粋で、汚れを知らないセイくん。
きっと、木の毒に心を奪われてしまったんだよね。
寂しさを紛らわすために。