男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「そうだな。俺も、悪いことは言わない。身を引いた方がいい」
「でも!どっちにしても私に待ってるのは死なのよ!私に、処刑台にあがれっていうの?」
「それは・・・。グレンには、俺から話してみるから」
ノアはそう言ってくれたけど。
でも、グレンがそれを許すはずない。
そんなこと、二人が一番よくわかってることじゃないか。
悔しい。
いやいやだったけど。
こうやって、突き放されると、悲しい。
私は、不要だって言われてるみたいで。
「せめて、専属騎士じゃなくて一般騎士としていられるように話してみるから。一般騎士なら、城下の見回りとか、門番とか、命とは直接関係のない仕事もあるからさ」
「っ、私・・・」
そうじゃない。
別に、騎士として働くことに、固執してるわけじゃない。
なんか、なんか。
認めてもらいたくて、ノアとの手合せを頑張ってた自分が、無意味だったんだって思って。