男装騎士~あなたの笑顔護ります~
思ってもみなかった。
レオは王になったばかりだし、今はまだバタバタしているからもう少し先だろうと。
「そ、っか・・・。うん。わかった」
「わかった、とは、なにがわかったなのだ」
まっすぐ向けられた瞳を、私は受け止めることができない。
動揺を感じられたくない。
「だから、私、平気だから。王さまの立場、わかってるつもりだし。政略結婚が当たり前だって、ちゃんとわかってるから」
だから、言わなくてもいい。
そういうつもりで言った。
レオの口から、ききたくない。
ごめん。って。
「話を、聞け」
「聞いてるよ、だからわかったって」
「目をそらすな!」
ぴしゃりと張り詰めた声で言われる。
肩をビクッと震わせた。