男装騎士~あなたの笑顔護ります~
最愛の人
なにが起きたのか、わからなかった。
突然、ユキの声が聞こえたと思ったら突き飛ばされ、俺は前を歩いていたグレンに、マリア姫はノアによって受け止められた。
大きな音と共に、自分たちがいた場所に足場が崩れ落ちた。
「ユキ!!!」
後ろにいたフランが叫ぶ。
ユキ・・・?
「マリア様、レオさま、危険ですこちらへ!」
グレンとノアが俺たちをその場から離そうと案内する。
ダメだ、俺は。
俺は、ユキを助けなければ!
「ユキ!」
血の気がサーッと引くような。
こんな思い、もうしたくなかった。