男装騎士~あなたの笑顔護ります~
ユキの身体を隙間から引きずり出す。
こちらから、その姿を確認しホッと胸をなでおろした。
「ユキ!大丈夫?」
「・・・うん、ありがとう・・・」
意識も、かろうじてある。
心底ほっとし、張り詰めていた心が軽くなった途端足元が崩れ落ちる。
「レオさま!」
「わ、悪い・・・。ホッとした・・・」
「はい・・・」
グレンが、微笑みながら頷いた。
「フラン、一足先にユキを城の医務室に連れてゆけ」
「はっ」
ぐったりしているユキをフランが抱え上げ、俺の命を聞くと城へと急いで戻る。
その後ろ姿を見送った後、俺は自分を落ち着かせるよう小さく息を吐く。
ユキは大丈夫だ。
意識はあった。
フランもついている。
自分がついていたかったという思いを封じ込め、俺は王としてやらねばならないことがある。