男装騎士~あなたの笑顔護ります~



「マリア姫、大事ないか?」

「はい、私は大丈夫でございます」

「危険な目に遭わせてしまい、申し訳ない」

「いえ、本当に大丈夫です」



優しく笑顔を向けてくれるマリア姫に、もう一度詫びる。




「城で、おいしい紅茶と菓子を用意させる。私も、この後始末を終えたらすぐ向かうので、お待ちいただけますか?」

「はい。お待ちしております」

「ノア、姫をお連れしろ」

「はっ」





マリア姫をノアと他の従者と共に送り出し、先に調査をしてくれているグレンのもとに急いだ。




「レオさま、この足場を組んだ業者です」

「も、申し訳ございません!」

「原因は」

「足場を組んでいた縄の老朽化により耐え切れず千切れたことによるもの、と今の段階では推測されます」

「老朽化?」

「縄を買い替える余裕がなく、使いまわしておりました・・・」



青ざめた顔の業者の一人がそう告げる。
俺は、怒鳴りつけたい気持ちを抑え拳を握る。




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