男装騎士~あなたの笑顔護ります~



「遅刻なんかして、剣道?」



休み時間、親友の中村佳奈が心配そうに聞いてきた。
私は朝のことを思い出し、首を横に振った。



「いや、なんか変な声が聞こえてさぁ」

「声?なにそれ?」

「わかんないのよ、それが。助けてって聞こえたんだけど、周りに誰もいなくて」


本当に不思議だった。
確かに聞こえたのに。
でも、声は途切れ途切れだって。
近くじゃなかったのかな?

だとしたら、大丈夫だったんだろうか。




「え、それってユーレイとか?こわー!」

「いやいや、そんなわけないじゃん!」



ユーレイなんて、いるわけない。
佳奈ったら何言い出すんだか。




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