男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「・・・ごめん。グレンに話したけど、無理だった」
数時間後、再び部屋を訪れたフランが言い辛そうにそう言った。
私は、きっとそうなることがわかってたからか、あまり驚きもなかった。
でも、少しだけホッとしている自分に驚いた。
「そっか」
「ごめん」
「ううん。これから、よろしくね」
私が笑いかけると、気まずそうに笑う。
これでよかったのかな。
でも、私は私の居場所を見つけられた気がするんだ。
まだ、“命の危険”への危機感なんてリアリティがなくて。
この世界の、本質を全く理解できていなかった。
ノアやフランが言っていた言葉の意味を知ることになるのは。
まだもう少し先の話。