男装騎士~あなたの笑顔護ります~
―くれぐれも、と言っておいたはずですが
その日の夜。
グレンからの通信で一言目にそう言われた。
秘密がばれてしまった件についてだろう。
そう言ったって、不可抗力だ。
仕方ない。
「だって、私気を失ってたんだから仕方ないでしょ」
―ほら、今も“私”と。普段から気を付けていないからそうなるのです
「う・・・。俺!おれ、俺、俺!これでいいんだろっ!」
もう少し、労わるとかないわけ?
ノアは、自分のせいだと捻挫をした私の事ものすごく心配してくれたし。
フランだって献身的に世話を焼いてくれた。
それに引き換え、グレンは小言ばかり。
―あのノアを本気にさせたことは、褒めて差し上げましょう
「別に褒めてほしいわけじゃない!」
―では、どうしろと
「別にいい。期待してないから」
優しさを、グレンに求める方がバカなんだ。
私はぼすっと音を立てベッドに横になった。