男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「あ!!!ユキさま!こんなところにいた!」
試験場に響くフランの声に、げ、と思う。
「な、なんだ?」
志願者の男も不思議そうに起き上がりながら声の方を覗く。
ざわざわと騒がしくなる会場。
「いないと思ったら!なんで王妃さまがこんなところで剣を振るってるんですか!」
「だ、だって!」
「だってじゃないです!ほんとに、目を放したらすぐこれなんだから!行くよ!」
フランに怒られ肩を落とす。
だって久々に私だって剣を振るいたかったんだもん。
「え・・・、王妃さま?って、え?」
フランに連れて行かれる私を見ながら志願者の男は混乱していた。