男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「でも、一つだけ。魔力の持つ石というのは、とても扱いが難しくて、一歩間違えれば身を滅ぼすことになる。強い意志を持っていないとダメだよ」
「う、うん」
「じゃあ、ユキはなんの武器を持つ?」
フランに聞かれ、私は顔をあげた。
答えは決まってる。
私は、それ以外持てないと思う。
「剣にする」
「剣?剣って、魔物とそれだけ近くで戦うことになるってことだよ?飛び道具の方が、ユキにとってもいいと思うけど」
「ううん。私、剣道習ってたの。私ができることは、それだから」
「剣道?」
「うん。でも、真剣なんて持ったことないし、人を傷付けたことなんてないから・・・少し怖いけど」
私が、誰かを守れるとしたらそれしかない。
それ以外で、私が誇れる力なんてないの。
それが、実戦でどれだけ通用するのかわからないけど。
「わかった。俺たちも、できるだけサポートする」
「ノア」
「そうと決まれば、明日から剣での実践の特訓だな!」