こころチラリ
思った通り、人っ子ひとりいないコインランドリー。


洗濯物を勢いよく入れ洗剤などを放り込むとドアを閉めお金を入れてスタートさせる。


さて、これからどうしようか。
このままここでマンガを読んで時間を潰すか。
一旦うちに帰って出直すか。


暫く考えてから、この場で時間を潰すことにする。


パイプ椅子を持ってきて、おいてあるマンガを手にとった。

さて、前回の続きは、、、とページを捲ったところでコインランドリーの自動ドアが開く音がして視線だけをあげる。


「!?」


入って来た人物を見て、美波は息を呑んだ。


(速水課長だ、、、!!)


すぐさまマンガで顔を隠し、下を向く。
社外では誰にも会いたくない。
休日くらい、あの嫌味を聞かずに過ごしたい。



じっとしてマンガを読む振りをしていたら、速水課長は気付かないのか自分の洗濯物を放り込んで何やら唸っている。


(どうしたのかな?故障??)


つい気になってしまい、目線を上げるとどうやら使い方がわからないらしく、説明書を読んでいるようだった。


背後から見ていた美波は慣れた行為なので、こういうのを見てしまうとじれったくて仕方ない。


(洗剤入れてコース選ぶだけじゃない、課長ってコインランドリー知らないのかな。)


5分程度待ってみたが一向に進まない速水を見ていて痺れを切らした美波は、バレても仕方ない!と立ち上がった。


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