三太郎物語
浦島太郎は、釣竿を、糸が切れないように、慎重にひっぱりました。

「いてて、いてて」

親分は、ばたばたと暴れ、釣り針はますます、鼻の穴に食い込むばかり。

鬼の子分たちは、何があったのかがさっぱりわからず、

何も手を下さないのに、親分を倒そうとしている、浦島太郎が

恐ろしくて仕方ありません。
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