一つの願い事




オレ・・杉山ひかる。これでも高校1だ。
悪いかよ!高校生だ~っうの!!いつもの事ながらマジ最低じゃん。


「ハハハ・・オレこれでも15歳なんですが・・やっぱ見えません?」
「15さい?え?!ホントですか?ごめんね~」


と、おしるこジュース2本も貰ってしまった。
何度もゴメンと誤っていた外人さんが突然、オレの顔をマジマジとみた。
そして、とんでもない事を言ったんだ。


「本当にその兄さんのように大きくなりたいんですか?」
「マジです!!コウ兄ちゃん~のようにデカクなるのがオレの願いなんです!」


じゃ・・もっとコレを飲みなさい。
と、飲みたくもないおしるこを4本も貰ってしまった。
そして、Good Luck(幸運を祈るょ)と言い残した彼から、
なぜか両方のほっぺにKissをされてしまった・・




オレには4歳年上の幸一兄がいる。
149cmのオレとは正反対で180cmという素晴らしい身長の持ち主。
もうすぐ16才になろうとするのに未だに身長が伸びてなーい!!


今日は春休みを利用して、なんと初めてのひとり旅行でコウ兄ちゃんの居る沖縄に行くのだ。
大学生の兄ちゃん・・
地元の大学を行くんだとばかり思っていた矢先、それは突然の出来事だった。
以来、バイトだのサークルだのでとうとう家に帰らなくなった。


あれから全然、会っていないんだ。


2年ぶりに会うコウ兄ちゃん・・


会いたくて・・会いたくて・・


いてもたっても居られなくてオレはひとりで会いに行く事にしたんだ。


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