りんご飴
颯斗が帰ってきていた。
一週間前、電話がきた。
一年早く帰ることになった。
お前たちの学校行くからよろしく。
美音菜には秘密で。
ただそれだけを言ってきた。
ねぇ。颯斗。
今、颯斗が帰ってきたら美音菜どうなると思う?
また、……また引きずるでしょう?
そんな颯斗のことが私はわからなかった。
美音菜の幸せを。
私たちの幸せを。
歯車を。
狂わせないで。
私には…………理解できなかった。
心愛side完