はじけるピンクの恋心
このまま白木とずっと2人きりでいたい。
そう願いながら輝く花火を見つめる。

この散っていく花火を見ると切ない気持ちになったりもした。
早く・・・早く白木に自分の想いを伝えたい。


時が過ぎて、花火の様に散っていく前に・・・。

いや、あたしの白木への想いは散らないだろう。
だってこんなにも愛しいのだから。


白木の横顔だってまともに見れないぐらい心臓はドキドキと速く鼓動する。


「山村、山村は好きな人とかいるの?」


「えっ?!」


突然とぶつけられた白木の疑問に戸惑う。


好きな人・・・いるよ。
大好きなぐらい夢中になっている人がいるよ。


「・・・うん。いるよ。」


それは・・・白木だよ。
届けばいい、この想いが。

フワッとあたし達を横切る風がこの想いを届けてくれればいい。


「・・・俺も、いる。」


向かい合って白木とまっすぐな瞳が合う。
あたしと白木が沈黙の間、2人が手に持っている花火が小さく音を出し光っている。


この花火が消える前に、想いを届けよう。
そう思い、あたしは覚悟を決めた。


上手に言えなくても、可愛く言えなくてもいい。
どうか、ちゃんと白木に届いて。

このあたしの溢れ出る白木への想い・・・。


「白木、あのね!あたし・・・白木が・・・。」
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