はじけるピンクの恋心
「あ・・・。神崎?」


あたしの目に映ったのは男友達数人といる神崎だった。
そして神崎が、あたしの元へと近づいてきた。


「おはよーっす!」


なんて言って片手を挙げる神崎に思わず笑ってしまう。


「ところで山村、1人なのか?」


「ううん。違うよ!」


「もしかして渡辺と?」


神崎の問いかけに首を横に振った。
今日は梓ちゃんとじゃないんだよ。


「白木と・・・来てるの。」


そう言った後に顔が熱くなる。
2人きりだというのを改めて実感したからだ。


「え、蓮と・・・2人きり?」


「う、うん。」


いくらなんでも2人きりだとわかったなら、神崎はあたしと白木が付き合っているとわかっただろうな。


「そっか・・・。付き合ってんだな、山村と蓮って・・・。じゃあ、その・・・まぁ、お幸せにな!」


そう言って早々と男友達の元に戻って行った神崎。
この時、悲しそうな、寂しそうな顔をした神崎を少し疑問に思ったがそこまで気にはしなかった。


そして、あたしは白木が待つ館内へと再び入り席に座っている白木の姿を探した。


「山村、こっち。」


そう言って軽く手を挙げた白木の元へ小走りで向かう。
まだ映画は始まっていなく館内はザワザワとしている。


「白木、ココア!」


「ん、ありがとう。」
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