はじけるピンクの恋心
・・・―


「んー・・・。」


パチッと閉じていた重い瞼を、ゆっくりと開ける。
自然と口から出る欠伸を手で隠す。


「やっと起きた?」


「え・・・!」


その声にハッとして隣を見ると、あたしを見て笑っている白木。


そうだ、白木と映画を見てたんだ。
なのに、すっかり白木につられて寝てたよ・・・。


「あれ・・・?白木は起きてたの?」


「うん。気づいたら山村も寝てたから驚いた。」


「そっか、何かゴメンね!せっかくなのに寝てて・・・。」


せっかくの初デートを半分寝て過ごしたなんて嫌だよ。
そう思っていると白木がニッコリ笑って口を開いた。


「全然大丈夫!まだ夏休みは始まったばかりじゃん?夏祭りとか行こっか。」


「うん!夏祭りは梓ちゃんと神崎を誘おうよ!」


白木から誘ってくるなんて嬉しすぎて思わず大きな声で答えてしまった。


「そうだな、拓也も皆で行きたいって言ってたしな。」


そんな会話をした後に、あたし達は映画館を出た。
今まで暗い所にいたから急に明るい所に出ると目が眩んだ。


映画なんて始めしか見ていないけど、白木が隣にいたからよしとしよう。


「山村、公園にでも行く?」


「うん!行く行く!」


あたし達は最後に公園に行く事にした。
公園だと、ゆっくりできる。それに白木と、たくさん話せる気がした。
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