はじけるピンクの恋心
「誰もいないね!」


公園に着くと見事に人がいなくて、あたしと白木だけの貸切の様だった。


「とりあえず、座る?」


白木が指差したベンチに、あたしと白木は腰を下ろす。
なんだか照れくさい気がするけど、嬉しいから関係ないか。


「そういえば、俺等の事・・・渡辺とか知ってるの?」


照れくさそうに頬を赤らめて口元に手を当て問いかけて来た白木。
その様子だと“俺等の事”って言うのは“付き合ってる事”って事かな。


「えっと、梓ちゃんには言おうと思ったんだけど・・・その・・・恥ずかしくて・・・。」


そう実は、白木と付き合ってる事は誰にも言ってないのだ。
恥ずかしいのもあるけど、やっぱり実感がなかったから・・・。


「俺も拓也には、言ってない・・・。」


さっき神崎に会った時、神崎知らなかったもんね。


「あ・・・!でも神崎、さっき会った時に気づいたよ!」


「そっか。気づくよな、普通。2人きりだもんな。」


だよね、さすがの神崎だって気づいたよ。
何だか気づかれたと思うと恥ずかしいな。


何故かそこで沈黙になり、困ったあたしは何でもいいから言葉を発した。


「あ、あたしブランコ乗ってくるね!久しぶりだから懐かしくて・・・。」


なんて咄嗟に出た言葉が何とも幼稚すぎて笑えて来る。
だけど白木は「ブランコとか何年ぶりだろ。」を言ってブランコに乗ろうとしているあたしに着いて来てくれたんだ。


ギーッと音を鳴らすブランコに乗る。
だけど、ただ座るだけにしておいた。


白木は、あたしの前で足を止めブランコに乗っているあたしの前で座り込んだ。

ブランコに乗っているあたしと座り込んでいる白木とじゃ目線が違って変な気がした。あたしの方が大きいみたい。
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