はじけるピンクの恋心
・・・―

あれから白木とは暇があれば2人で会って遊んでいた。
遊ぶ回数が増える事に、あたしと白木は進展した。と、あたしは思う。


最初の内は手なんか繋ぐ事ができなかったけど、今は恥ずかしいけど何とか繋げる様になっている。


初めて手を繋いだ時に白木が顔を真っ赤にしながら「ヤバイ・・・恥ずかしい。」と言っていたのを今でも覚えてる。


そして明日はいつもの4人で夏祭りに行く事になっているのだ。

予想通り2日前に神崎からメールが来た。
そのメールはやはりあたしと梓ちゃんと白木に一括送信されたものだった。

内容は待ち合わせ時間と集合場所だった。


明日は梓ちゃんと一緒に浴衣を着るから楽しみだ。
白木と神崎は甚平なんか着ずに普通に私服らしい。
少し期待していたから残念だ。



「紗奈、明日夏祭り行くんだろ?」


「えー、うん。そうだけど?」


部屋でくつろいでいるとノックもせずに入って来た弟の圭太。
本当に図々しい弟だよ・・・。



「はい、これ。母さんが夏祭り行くんだったらお金がいると思うからってさ。」


そう言って圭太が、あたしに手渡したのは2千円だった。


「え、ありがとう。お母さんって気が利くね!」


なんて言うと圭太は「そうだなー。」とぶっきらぼうに呟いて私の部屋から出て行った。


丁度お小遣いがピンチだったからお母さんには感謝しなきゃ。
そして私は財布に貰ったお金を入れて眠りに着いた。
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