はじけるピンクの恋心
・・・―


『明日からは夏休みだが、体には十分注意して過ごせよ。夏休みの課題も、ちゃんとする事!してなかったら夏休み明けは補習だぞ!』



そんな担任の挨拶で、あたし達が待ちに待った夏休みがいよいよ明日スタートするのだ。



「山村、拓也が待ち合わせとか時間はメールするってさ。」


「うん!ありがと、白木。明日、楽しみだね!」


「そうだな!じゃあ、明日な。」


手を振って教室から出て行く白木。あたしは白木の後ろ姿が見えなくなるまで見ていた。



「紗奈ちゃん、水着買いに行くんだよね?」


後ろから聞こえる梓ちゃんの声に振り向いた。


「うん!明日が海に行く日だもんね!ホントに急な話しだよね。」


思わず笑ってしまうと梓ちゃんは「神崎くんって、おもしろいよね。」と笑いながら呟いた。



そして、あたしと梓ちゃんは学校を出て大きなショッピングセンターに向かう事にした。


外は暑く、風が1つも吹いていない。明日は絶好の海日和だよ・・・。



ショッピングセンターに入るとクーラーのおかげで、さっきの暑さが嘘の様に思えた。



「梓ちゃん、水着コーナーはコッチだよ!」



あたしと梓ちゃんは早速、水着コーナーへと向かった。



「これなんか紗奈ちゃんに似合いそうだよ!」


そう言って梓ちゃんが、あたしに見せたのは白くてシンプルな水着だった。


もとから派手なものが苦手なあたしには丁度良い水着だ。
< 3 / 73 >

この作品をシェア

pagetop