はじけるピンクの恋心
「紗奈ちゃん、白木くんと神崎くんが食べてるのおいしそうだね!」


「おいしそうだよ!梓ちゃん、あたし達も食べる?」


「食べたいけど浴衣だから・・・それに、あんなに大きいのは食べれないかも・・・。」


女の子らしいコメントだ。
あたしと梓ちゃんは浴衣を着ているから汚れたら大変だもんね。
特に梓ちゃんなんか白地だから目立っちゃうもんね。


「そうだよね。・・・あ、お腹鳴ったかも。」


おいしそうに、とうもろこしを食べる白木と神崎を見ていたらお腹がグーと音を鳴らした。



「山村、食べる?」


「え・・・?」


そう言ったのは紛れもなく神崎だった。
あたしの目の前には、とうもろこしが差し出されている。


「えーと・・・。その・・・神崎?」


これを食べると神崎とは間接キスをする事になる。
というか、あたしは白木という彼氏がいて、梓ちゃんは神崎に恋してて・・・。



「なーんてな。冗談だよ、冗談!ほら、蓮!ここは彼氏が、あげる所だろ!」


困っているあたしを見て神崎は笑って言った。
何だ、冗談だったんだ。


まぁ、そうだよね。
神崎だってあたしと白木が付き合ってる事を知ってるんだから。


「は?・・・俺が?」


「そうだよ、蓮は彼氏だろ?」


「・・・わかったよ。」


神崎に流されて白木はあたしに、とうもろこしを手渡した。
さすがのあたしもこの行為は恥ずかしくて顔が熱くなった。
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