はじけるピンクの恋心
「絆創膏、あるか?」


「あ、絆創膏はさっき梓ちゃんにあげたからないよ・・・?」


「そっか。なら、これで我慢しろよ。」


そう言うと神崎は自分の足首に巻いていた包帯を取りあたしの足の親指へと器用に巻きつけた。


「え、神崎の包帯じゃん!・・・良いの?」


「おう。俺は全然平気な怪我だから。それと・・・その包帯、綺麗だから安心しろよ!」


ニカッと笑顔を見せた神崎に「ありがとう。」とお礼を言った。
意外と神崎って手当てとか上手いんだな。と思いながら神崎をチラッと見てみる。


「な、何だよ。」


「ううん。何でもない!白木と梓ちゃんの所に戻ろっか!探してるかもよ?」


「いや、まだいい。山村も足痛いだろ?少し休憩した方がいいって。」


なんて神崎が真剣な目で言うから素直に頷いてしまった。
いつもと雰囲気が違う神崎に妙に緊張してしまう。


「いやー、しっかし驚いたよなー。山村と白木が付き合ってたなんてさ。」


オッサンみたいな喋り方をする神崎に少し笑いながら、あたしは口を開いた。


「あたしも驚いたよ。まさか白木と付き合えるなんて夢みたいだもん!」


「ふーん。」


頭の中で4人で海に行った日の事を思い出す。
あの日、海に行ってなかったら白木とは付き合えていなかったのかもしれない。

だから4人で海に行こうと誘ってくれた神崎には感謝している。
神崎は恋のキューピッドだ。


「神崎のおかげでもあるんだよ、付き合えたの。ありがとう。」
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