はじけるピンクの恋心
「俺のおかげ?!何で?」


「だって海に誘ってくれたじゃん。その日にね、白木とは付き合い始めたんだ。」


それを聞くと神崎は驚いた様に口をポカーンと開けて目を真ん丸くして呟いた。
その顔はいつもの神崎のアホ面だった。


「お前等・・・そんな前からデキとったんか。」


夏休みの初めに白木との恋人関係はスタートした。
今は夏休みが終わろうとしている8月の終わり頃。
もう、そんなに経つんだ・・・。


「白木から聞いてなかったんでしょ?」


「おう。蓮は何も教えてくれんかったぞ!知ったのは映画館の前で会った時!」


神崎にバレたのは白木との初デートの時だった。
自動販売機で飲み物を買おうとしたら偶然、神崎と会ったんだよね。


何故か、そんな事すら懐かしく思えてきた。



「あーあ。山村と蓮がデキたら俺は、どーすりゃいいんだよ。」


「え、梓ちゃんがいるじゃん!」


あ、しまった。つい、言ってしまった。
梓ちゃんの神崎への想いは、まだ秘密なのに・・・!

そう1人で焦っている時だった。
神崎の口から聞こえて来た言葉に耳を疑った。



「・・・渡辺は、そういう風には見れない。」


「・・・え?」


神崎を見ると真剣でかつ寂しそうな悲しそうな切なそうな瞳をしていた。
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