はじけるピンクの恋心
どうして・・・?

神崎と梓ちゃんはいい感じだったのに。
どっからどう見ても神崎は梓ちゃんの事を好きな様に見えたのに。
それは、あたしの勘違いだった・・・?


今の会話を梓ちゃんが聞いてたら絶対悲しむよ。


「渡辺が俺に好意を寄せてるのは何となくわかってた。だけど俺は、恋愛対象とかに入らないんだ。」


「・・・どうして?梓ちゃんじゃ、ダメなの?」


神崎から初めて梓ちゃんに対する気持ちを聞いた。

神崎は梓ちゃんが神崎に想いを寄せてる事、知ってたんだ。
じゃあ、どうして思わせぶりな態度をしたんだろう。
海の時だって、梓ちゃんの浮き輪を膨らませてあげたり・・・神崎は梓ちゃんに優しかったのに。


「うん、渡辺じゃダメなんだ。何かさ、渡辺ってトロイじゃん?悪い意味じゃなくて、マイペースとか、そんな感じで。だから妹って感じに思えるんだよな。」


「じゃあ、嫌いって事じゃないの?」


「当たり前。嫌いだったら、仲良くしてねぇーよ!」


それなら、まだ良かった。
だって、好きになる可能性はまだあるのだから。
これから、梓ちゃんが頑張って神崎を惚れさせれば良いのだから。



「だから、俺は渡辺じゃなくて・・・。山村じゃなきゃダメなんだ。お前じゃなきゃダメなんだって!」


「神崎・・・?何言って・・・。」


「どうして蓮なんだよ。・・・俺にしとけよ。」


あたしが好きなのは、白木。
梓ちゃんが好きなのは神崎。
神崎が好きなのは・・・あたし?


ねぇ、梓ちゃん。
どうしよう。
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