はじけるピンクの恋心
・・・―


「じゃあね、紗奈ちゃん!今度は2学期に学校でね!」


「う、うん。ばいばい、梓ちゃん!」


「じゃーな、蓮!」


「うん。じゃあな、拓也。」


結局、あの後は神崎とは1回も目が合わずにお祭りが終わってしまった。
楽しいお祭りだったはずなのに、気分が上がらないお祭りだったな。


神崎と梓ちゃんは一緒の道だから、一緒に帰って行った。
白木はあたしを家まで送ってくれるみたいだ。


「楽しかったな、祭り。」


「え。あ、うん!たっ、楽しかったね!」


どうしてだろう、平然を装うとすると逆に動揺してしまう。
これじゃあ、白木に変に思われるよ・・・。


「ごめん。」


「・・・どうしたの?」


急に謝ってくる白木にあたしの心臓がバクバクと鼓動する。

もしかして神崎とキスしてる所、見ていて別れ話をするつもり・・・とか?
嫌な予感が過ぎる。


だけどそれは、あたしの“予感”であり、本当ではなかった。


「靴擦れ・・・気づいてやれなくて、ごめん。」


そんな事で謝らなくても良いのに。
本当に白木は良い人だよ・・・。


「ううん。言わなかったあたしも悪いから。」


そして家に着き白木も自分の家へと帰って行った。
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