はじけるピンクの恋心

・花火消え、恋消える

「じゃあ、いってきマンゴー!」


31日、いつもよりテンションが高いあたしは普段言わないギャグなんか、かましてみたり。



「紗奈さ、夏休み最後だっつのに何でそんなにハイテンションな訳?つーか今から出かけるつもりかよ。」


「今から白木と約束してるの。」


玄関を開け出ようとした瞬間に弟の圭太からの言葉で振り返る。


まったく弟だというのに生意気な所は天下一だ。
それに実の姉だというのに“お姉ちゃん”なんて滅多に言われた事がない。


少しは姉を敬ってほしいな。
でも圭太の場合はあたしを完全に馬鹿にしてるから無理かな。



「じゃ、行って来るから。家で騒いだりするんじゃないよ、まだ圭太は子供だからねぇ。」


「誰が騒ぐか、クソ姉貴。早く出てけクソ姉貴。もう帰って来んなよクソ姉貴。」



・・・3回も“クソ姉貴”呼ばわりしたな生意気な少年が。

多少、いや随分とイラだったものの白木との待ち合わせに遅れるため圭太を無視して家を出た。



白木もう公園にいるかな。
待たせたら悪いから走らなきゃ。


タッタッタッと速い足音を立てながら公園へと向かう。

公園が見えて来ると外灯に照らされた白木の姿が見えた。
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