はじけるピンクの恋心
本当は明日の学校が憂鬱だ。

神崎とは気まづいムードだし梓ちゃんとは会いづらい。


神崎から告白されてキスまでされたのが白木と梓ちゃんにバレるのは時間の問題だと思う。


キラキラ光る花火がさっきまで綺麗に見えたのに今はぼやけて霞んで見える。



「山村・・・何、泣いてんの?」


「え?泣いてなんか・・・。」


そっと頬に手を当ててみる。

本当だ。
あたし泣いてる。知らず知らずの内に涙が出ちゃってたんだ。



「どうしたの、山村。」


「ただ、ゴミが目に入っただけだよ!ほら、涙も止まった。」


「・・・そっか、目痛くないの?」

「うん、大丈夫。」



涙の理由なんてわかりきっている。
また白木に嘘をついてしまった。最近のあたしは嘘をつく事が多くなったみたいだ。

ごめんね、白木。


数分後、残る花火は後1本になってしまった。あんなにたくさんあったのが嘘みたいだ。



「残りの1本、山村やりなよ。線香花火だからさ。」


「えっ、いいの?ありがと、白木!」



線香花火に火をつける。
丸い丸い先端からパチパチと火花をチラシ音を立てている。

その横であたしを見ている白木。
ドクンと心臓が鳴った。
これはドキドキしてるんじゃない。なんでだろう、嫌な予感がするんだ。


「山村、俺・・・。」


嫌だ。
続きの言葉が怖くて聞きたくない。何を言うの?


お願い、嫌な事は言わないで。



「俺、ずっと大好きだから。」

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