はじけるピンクの恋心
「え、山村?冗談はよせ!俺に気を遣ってんのか?」



これっぽっちも信じていない様子の神崎。
あたしはハァーと溜息を吐きながら、少し歩くペースを速めた。


「本当だよ、あたし振られちゃった。」


無理して作った笑顔は、自分でもわかるぐらい引きつっていた。
自分の口から言うと何とも言えない悲しさが込み上げてくる。

だけど神崎は納得したみたいだ。


「・・・マジかよ。蓮の奴サイテーだな。」


違う。
白木は何も悪くない。


「違うよ!元々はあたしが悪いんだし・・・。」



神崎からされたキスもあたしがしっかりしていれば、避けれたと思う。



「・・・そっか。あ、そうそう!あのな俺の父親が昨日コーヒーと、めんつゆ間違えて飲んだんだよ!ウケるだろ?」


・・・馬鹿だね、神崎。神崎の方が気を遣っている。
そんな見え透いた嘘のジョークも今は何だか温かく感じる。

これが神崎の優しさ何だろう。



それから学校に着くまで神崎が、精一杯の気を遣ってあたしを笑わせてくれた。そのおかげで遅刻寸前になってしまった。
そして教室の前に着いた時、神崎がふと問いかけて来た。


「蓮とは普通にできるか?」


そんなの答えなんて決まっている。


「もちろん!彼氏ではなくなったけど、友達だからね。」



そう言うと神崎が安心した様に小さな笑みを浮かべた。
そして教室のドアを開け教室に入る。
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