はじけるピンクの恋心
･･･―


チャイムが鳴り終えて今日の学校が終了した。
始業式だったため今日はお昼までで学校が終わりだ。


周りの子はキャーキャー騒いでいるのにあたし達４人は明らかに暗い。いつもなら２人仲良く帰る白木と神崎も別々に帰っていた。



「紗奈ちゃん、あたし達も帰ろう？」


「え、う、うん･･･！」


複雑な心境だった。
梓ちゃんは普通に接してくれているけど、あたしはどう接すれば良いのかわからない。

梓ちゃんは何を思っている？
梓ちゃんはどう思った？
どうしてそんなに優しいの？



「あ、梓ちゃん！」


「どうしたの、紗奈ちゃん？」



帰り道、あたしは勇気を振り絞り梓ちゃんに聞いてみた。


「その･･･えっと、怒ってないの？」


どんな言葉が返って来るだろうか。不安でたまらなくなるが今は答えを聞かないと気が済まない。


「え？どうして、あたしが怒らないといけないの？」


梓ちゃんから返って来た答えはあたしが想像していたものよりも全く違うものだった。


「だって、神崎との事とか･･･。」


「神崎くんから告白されたり、キスされたりした事をあたしが怒ってると思ったの？紗奈ちゃん、あたしはね全然怒ってないよ。」


あどけない笑顔が今、光り輝いて見える。


「怒って、ないの？」


「うん！だって、あたしが神崎くんを好きな様に神崎くんは紗奈ちゃんが好きなんだよ？あたしが怒っても人の気持ちは変えられないでしょう？」


梓ちゃんはあたしが思っていた以上に大人で強い人だった。
そんな梓ちゃんを見ると自分が小さな子供の様に見えてしまう。



「･･･梓ちゃん、あたしは白木が好き。振られても、大好き！だから頑張るよ。」


いきなり口から出た言葉。梓ちゃんと違いあたしはまだまだ子供だ。
だから最後まで全力で好きな人に、突っ走って行くんだ。
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