はじけるピンクの恋心
・・・-


嬉しい事は中々起こらないのに、どうして悲しい事はこんなにもあたしを待ち受けているのだろう。


『じゃあ今学期はこの班だからなー。文句言うなよ。』


新学期2日目。
誰もが楽しみにしていると言える席替えが待ち受けていた。


4人で固まっていた席とも、もう別れの日だと思っていた。


しかし、これは嬉しいのだろうか、悲しいのだろうか。

あたしの隣の席が神崎。
そして、あたしと神崎の前の席には白木と梓ちゃんがいる。

またしても4人で席が固まったのだ。
これは偶然か、それとも必然か。


あたしと梓ちゃんは普通だが、白木と神崎には何とも言えないどんよりとした空気が流れている。


「神崎、まだ白木と仲直りしてないの?」


隣の神崎に小声で尋ねてみる。


「うん。つーか話してねぇもん。」


「・・・そうなんだ。」


白木と神崎がそんな調子だと全然楽しくないよ。
それに白木だってあたしに冷たい。

別れた事なんて気にしないで前の様に仲の良い4人でありたい。これがあたしの本心だ。


前の席の白木がとっても遠くに感じるのは気のせいだろうか。
気のせいであったほしい。

これ以上、離れていかないで。



授業も3時間目に突入した。
前の席の白木と梓ちゃんは何やら楽しげに話している。
白木の笑顔を見るのは31日の別れた日以来だ。

今の白木はあたしに笑顔を向ける以前にまともに話してもくれない。
どうしてだろう。どうしてこうなっちゃったんだろう。


考えれば考える程、授業中だっていうのに涙が溢れてくる。
あたしは隣の神崎にバレない様に机にうつぶせになって声を抑え殺して静かに涙を流した。
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