はじけるピンクの恋心
「あ、山村!」


そう言って神崎の家の前から手を振る白木。
白木、もう来てたんだ。


「紗奈ちゃん、おはよう!」


白木だけだと思っていたら、夏らしいワンピースにサンダルを履いている梓ちゃんの姿もあった。


「おぉ、山村やっと来たか!これで全員集合だな!」


そう嬉しそうに言ったのは、もちろん神埼だ。

てっきり皆まだ来ていないと思っていたのに皆来ていたから驚いた。
1番最後に来たのは、あたしって事か・・・。


それから梓ちゃんが言っていた通り神崎のお父さんが、あたし達を車に乗せ海まで連れて行ってくれた。

車の中は予想外に暑くて早く海に着いて欲しいと願った。


・・・―

「おし、着いたぞー。」

神崎のお父さんの声を聞くと、あたし達は車から降りた。

神崎のお父さんは、ここで“海の家”を経営しているらしい。
だから、あたし達はそこで水着に着替えさせて貰った。


着替え終わった後、目の前に広がる砂浜、海へと向かって走り出した。


「蓮、海入るぞ!」


「おう。山村と渡辺は?」


そう白木に聞かれて咄嗟に答えた。


「あたしと梓ちゃんは浮き輪を膨らましてから行くよ!」
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