はじけるピンクの恋心
「だろ?だからさ、一緒に放課後どう?」


神崎は嬉しそうに雑誌に写っているケーキや甘いお菓子を見て誘ってきた。



白木は別れてから、あたしとは普通に接してくれない。

だけど神崎は、違う。
神崎とは色々と気まずい事があったと思う。
キス、告白。なのに神崎は笑って接してくれる。


神崎を好きになれば、あたしもこんなに誰かの事を想って苦しい想いなんてしなかったかな・・・。



「いいよ、放課後は暇だから!」


「マジで!よし、いっぱい食うぞ!」


そう言ってニカッと笑う神崎を見るとあたしも自然と笑みが零れてしまう。
さすがクラスの人気者、神崎だ。


・・・−


時間というのは速いもので、気づけばあっという間に放課後になっていた。



「紗奈ちゃん、確か放課後は神崎くんとなんだよね?」


カバンに教科書を入れていると梓ちゃんが、心配そうな目をして問いかけてきた。


「心配しないで、梓ちゃん!やましい事なんてしないよ!ただ神崎はスイーツを食べたいって言って・・・。あ、でも梓ちゃんが嫌なら誘いも断るよ?!」


「紗奈ちゃん、あたし神崎くんに告白したけど振られたんだ。昨日の夜ね、神崎くんを呼び出して告白したの。そしたらね神崎くん“渡辺の事好きだけど、それ以上に山村が好きなんだ”って言ったの。」


「・・・梓ちゃん。」


そんな事があったなんて全然知らなかった。って当り前だよね。昨日の話だもん。
でも梓ちゃん、ちょっとは相談してくれても良かったのに。とあたしは少し悲しい気持ちになった。


「あたしもね、神崎くんは大好きだよ?振られてもやっぱりすぐには諦められない。でも、それ以上に紗奈ちゃんが大好きなの。だから紗奈ちゃん、あたしに気を遣わないで?」


梓ちゃん、それだと丸で神崎と付き合っても良いんだよって言ってる様に聞こえるよ?

どうして?どうしてそんなにも強いんだろう。
また一段と梓ちゃんは強くなった様に思えるよ。



あたしの幸せってなんだろう。

ずっとずっと大好きな白木と付き合う事?
ずっとずっと想ってくれている神崎と付き合う事?
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