はじけるピンクの恋心
「えっ・・・?」


あれ、何であたしはこんなにも悲しいんだろう。何でこんなにも心が痛いと叫んでいるのだろうか。

あっ、そうか。
少しは白木やり直せるかもなんて思ってたからだ。
そんな事はありえないのに甘い考えをしていた。



「じゃあ。」


その一言で去って行く白木にあたしは何も言えないまま、ただ呆然と立ち尽くすだけだった。白木の後ろ姿が歪んで見えるのは涙のせいだ。


「紗奈ちゃん・・・。」


教室の向こう側から、あたしを見ている梓ちゃんに言う言葉など見つかる訳もなく、「あ、あの。財布取りに来たの!」と無理矢理笑って見せた。


自分の机から財布を取ると、逃げる様にあたしは教室を出た。



「神崎ー!」


何もなかったかの様にあたしは神崎の元へと走る。神崎はそれに応えるかの様にあたしと同様、大きな声で「山村!」と叫んだ。
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