はじけるピンクの恋心
梓ちゃんが持って来た浮き輪2つを白木に見せた。


「浮き輪?俺が空気入れてあげる。」


そう言われて、あたしは膨らまそうと手に持っていた浮き輪を白木に渡した。
そんな白木の優しさが温かくて嬉しかった。


「なら俺は渡辺のをしてやる!」


神崎も白木を見て梓ちゃんの浮き輪を膨らましていた。

そしてその隣には顔を赤く染めた梓ちゃん。
実は梓ちゃんは神崎に恋をしているのだ。


「ほら、できた!」


白木が空気がパンパンに入った浮き輪をあたしに手渡す。


「ありがとう!」


「ちくしょー・・・。全然、空気入らねぇ。」


そう悲しそうに呟くのは神崎だ。
神崎が膨らまそうと息を入れるが中々パンパンにならない浮き輪。


「なら、あたしと白木は先に海で遊んでるね!」


そう言って白木と2人で海に向かった。
梓ちゃんと神埼を2人きりにさせるのもあるけど、大きな理由は白木と2人きりになりたかったからだ。


チャプチャプと海に入ると冷たくて気持ちが良かった。


「山村!」


そう白木から名前を呼ばれ白木の方を振り向くとパシャと水をかけられた。
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