つくも-九十九-付喪神 !
日常
少し変わった私の日常
―・...… ろ...
――・・・….. きろ...
―――・・・….. おきろ....
「起きろっつってんのが聞こえねーのか!!この、寝る子娘!!」
大声を上げても尚すやすやと気持ち良さそうに寝息を立て布団に横たわる少女に、其の大声の主は眉をキュッと寄せて少女を睨み付けた。
「ったく、何でこうも毎日毎日大声を出して起こさなきゃいけねーんだよッ!!」
声を荒げながら大声の主は力任せに少女の額に手刀打ちを噛ますと、少女は「ったぁい!!!」と大声を上げて起き上がる。
「まぁま、落ち着きなよ。扇-セン-に凛-リン-。朝餉…の時間帯じゃ無いけど朝餉出来てるから。ね?」
大声の主と少女の二人が言い合いになるのを見越してか、割烹着を身に着けた優しそうな雰囲気の男性が入ってきた。
そして、現在の時刻、午前10時ちょっと過ぎ。付喪神が言うと巳四刻。
先程その優男に扇、と呼ばれたのは大声の主、扇子の付喪神。凛、と呼ばれたのは、猫の語源『寝る子』と扇に言われた少女である。
そして、入ってきた優男は匙の付喪神、佐治-サチ-。
朝餉、の言葉を聞くと、扇から貰った痛みは何処に居行ったのか凛はキラキラと目を輝かせた。