アイドル様の秘密【上】
〝コンコン…〝
いつものように朝、私の部屋のドアが神塚によって叩かれる。
「飛沙さん、おはようございます。朝ですよ起きてください。」
長身で静かで大人の雰囲気を出す神塚。
そんな神塚を私は大好き。
兄の灰夜(はる)に相談できないことも神塚にだったら相談できる。
パパやママがいた頃だって一番信頼できたのは神塚だった。
怒られていた私をいつも慰めてくれたのも神塚だった。
喧嘩して家出をした時だって、必死に探してくれたのも神塚だった。
誰よりもそばで、誰よりも近くにいてくれた人。