アイドル様の秘密【上】

「なんでって…会いたかったからだよ……」


「龍国君に…優翔に会いたかったからだよ!!」


「勝手に学校辞めて、連絡もしてくれなくて、黙って私の前から消えたあんたに会いたかったからだよ!!」


飛沙は胸にしまっていた思いをぶち当てた。


「初めはそんなに気にしてなくて、転校初日で失礼な奴、なんて思ってたけど!…気づいたら目で追いかけてたんだよ…初めて飛沙って呼んでくれたとき他愛もないことだけどすごい嬉しかった…」


「それに…それに私がヤクザの娘だって知った時だって普通に接してくれた。何よりもそれが嬉しかった…っ!!」


「なのに勝手に居なくなって私の前から消えてアイドル活動再開してるのを見てなんかムカついて…優翔のいない学校なんて全然楽しくなくて!!結局七果や梓奈に迷惑かけて…一発言ってやろうなんて考えてたら梓奈達がここに連れて来てくれたんだよ!!」


「なのに会っちゃいけないの……?置いて行かれた私はもう優翔に会っちゃいけないの…?」


< 140 / 224 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop