アイドル様の秘密【上】
ここに来るまでの不安はどこに行くんだろう…。
私はこれからどうなるんだろう…。
そんなことの不安だった。
扉を開けたときの絶望感は痛かった。
もう優翔と一緒にいられないのかな。そんなことを考えるだけで怖かった。
だけど…今、優翔は私に「居てほしい。」って言ってくれた。
たとえそれが嘘だったとしても私はそれを信じたい。
嘘なんて見抜けても全然良くなんかないよ……。
誰にも気づかれない孤独と悲しみで胸がいっぱいなんだよ。
密かに思ったよ。
目の前にいるのは優翔じゃない。優翔に似た人だって…。嘘だって誰か言って……。
そう思った。
でも、でもね…やっぱり優翔なんだよ。
優しい声……私を見つめる真っ直ぐな瞳。
優翔じゃないなんて嫌だよ…。優翔じゃなきゃ嫌だよ…。