アイドル様の秘密【上】
「黙って聞いてれば…

誰のおかげでここが経営できてると思ってるわけ?

あなたは新店員だから知らないかもしれないけど、

この店潰れそうだったのを助けたのは私だから。

それに、妹?逆だっての。私が神塚を下に置いてるの。

見え見えの嘘で謝られたって許せるもんも許せないわよ。

お嬢様?だってそうなんだもの。

私は六条寺 飛沙。六条寺組頭の六条寺 純極の孫娘!

あなたみたいな人がほいほい話していい相手じゃない。」

飛沙はそう言い店を出て行った。

「お嬢!!」

「飛沙さん!!」

「あ、神塚さん…」

店員が呼び止める。

「飛沙さんを汚す人は許さない。

私はあなたを許さない。」

神塚はそういい飛沙を追った。

誰もいなくなった店内に静かに響くため息。

「店長…」

店員が口を開く。

「クビよ…」

「えっ?」

「飛沙お嬢様に喧嘩を売ったもの…。

あなたの為にも今日中に辞めてちょうだい。

給料は払うわ。今日はもう上がって。

そして二度とこの店の扉を開けないで。」
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