アイドル様の秘密【上】
〝チュンチュン……チチッ…〝
窓の外から聞こえる鳥の声と窓から差す太陽の光で目が覚める。
「ん………」
寝ちゃったんだ……。
鏡を見ると目が赤く腫れていた。
知らない間に私の心は優翔でいっぱいになってたんだ。
初めて思い知らされた別れという辛さを。
どうして私なんだろう……。
どうして私はこの家に生まれてしまったんだろう。
この家に生まれなければ優翔を思って別れるなんてこともなくて…
ヤクザの娘だからって避けられることもなくて……
人を疑って生きることもなかった……。