アイドル様の秘密【上】
あの時はまだ子供だったな…。

灰夜の仕事の邪魔はするし、誘拐されるし…。

五歳の時だっけ?

やばい組と抗争が起きて、パパが死んで…

ママは後を追うように私と灰夜を残して自殺した…。

右肩の蝶の刺繍はパパとママが決めた六条寺組のマーク…。

これだけは命に代えても守りたい。

パパとママが残してくれた大切なものだから…。

「飛沙さん?」

〝スー…スー…〝

寝息を立てて寝ている飛沙を起こさないように神塚は抱き上げ、

元都と共に帰っていった。



「ん…?」

いつもの天井を目の前に目を覚ました。

「お目覚めですか。」

側には座って新聞を読んでいる神塚。

「あれ…?私…?」

「寝てしまってたんですよ。

お店から出て行った後私の腕の中で。」

神塚は笑い言った。

「そう…だったの。ごめん。」

「いえ、嬉しかったですよ。」

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