アイドル様の秘密【上】



言おうと思って呼び出した。
なのに心は否定する。


「大丈夫だよ。」

そう言って笑う優翔。


「あのね…私…私ね…。」


言う……言おう。
口を動かす。だけど心が痛い。


「本当は…六条寺組の娘なんだ…っ…」

言えた…。心の中にあったモヤモヤが薄らと消えていくのが分かる…。
だけど…龍国君の顔が見れない。

今…どんな顔してるの…?

怖い…かな…?それとも…

〝カツン…カツン…〝


足音が飛沙の横を通る。
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