泣いてる彼女を見つけた
「…………は?」
案の定、意味がわからないというように首を傾げた。
もうどうとでもなれ、と自暴自棄になりかけた。
押し倒されたなん分後かの、勢いまかせの告白。
実る訳がないが、滑ってしまったものは仕方ない。
「つまり、付き合って下さい、あの、男の俺と」
「――、」
勢いまかせの告白は、夕日に包まれた教室でよく響いた。
――後に幸は、こう言う。
『あのときの吉永の顔は、男にモテるのが納得なくらい可愛かった』と。
【fin】