泣いてる彼女を見つけた


思わず、ポカンと口を開けてしまう。


だってさ、押し倒されたってそりゃあ…



「んとね。メールで呼び出したの。私が。

で、『なんであんなことしたんだ、信じてたのに』って言ったら、『お前がエロいのが悪い』って言われて…

『高嶋も浜田も、吉永だってお前をそういう目でみてるし。なにいまさら純情ぶってんの?嬉しかったんじゃねーの?』

って。で、押し倒されました」


「うわあ…」


思ったより酷な状態だった。

淡々と語るけど、彼女の涙は止まってない。


「……嬉しいわけないじゃん。私、北島と遊ぶの好きだったのに。
優しいし面白いし、そういうのが全部えっちしたいがためだったら、私本当嫌になる」


「…幸」

消えてしまいそうなほど薄くなっている幸に触れようとして、やめた。

半径5m以内立ち入り禁止だし。

なにより、今の幸に触れるのはあんまりよろしくない気がする
< 4 / 12 >

この作品をシェア

pagetop