泣いてる彼女を見つけた
「吉永が女の子だったら、肩ぽんぽんとかしてもらうのになあ…」
「っ、」
儚く、笑った。
彼女の涙はアホな事をいってるうちに止まったらしい。
ただ、悲しそうな雰囲気は変わらなくって。
彼女の心の傷の深さが、じわりと染みた。
俺がもし女の子だったら。
幸に触れたり、肩を抱き締めたり。
そういう、傷を癒せるような行為ができたのかな。
「…吉永?どうしたの?」
「いや……なんでもない」
複雑な心境をしているのを勘づいたらしい。
首を傾げて覗きこんできた。
「でも吉永は女の子でもいけるよね!」
「は?」
ぽんっと手を叩いて、良いことを言った!という風に喜び始めた。
「ほら、吉永目ぇ大きいし!色白だし、華奢だし……今度の誕生日プレゼントはカツラにしよっか」
「や、マジでやめて、幸」
確かに俺は女より。
背も低いし、色白だし、声は高いし。
「だって男の子に告白されたんでしょー?」
「それを言うなよバカ…」
黒歴史を引っ張り出してきた。いじめだ。